ローコスト住宅にチャレンジ!!
 700万円台で注文住宅を建てた―マイホーム建築奮闘記―

第4章 700万円台注文住宅の建築奮闘記その2

●競合!

四、五年前にも一戸建てを買いたいという衝動にかられたことがありました。
私達夫婦は、その時に知った大本命の工務店に、今度は最初に行きました。ここは、900万円でしっかりした家が建つとチラシに広告を出しており、パンフにもその値段が謳ってありました。

話しをすると、「できるだけ協力しましょう!」と言ってくれました。
まず、絶対譲れない箇所のピックアップです。すると妻が「カウンターキッチン」と第一声を発します。続けて「LDKから2階に上がる階段、1坪バス、1・2階にそれぞれ和室とトイレを一つずつ、それから……」と際限がありません。
「おいおい、まだいうんかい。安く上げなきゃいけないんだぞ!」と私が思っていると、

「1030万円」(解体・外構工事は含むが給排水工事は別途)
そして、「土地が狭いと材料の追加工などかかって900万円では無理です」と言われ、ガックリです。

それでもすぐさまたちなおり、次の土日に大手FC住宅メーカーのモデルハウスを訪問し、1社目の1030万円の見積もり書を見せる、

「この工務店は現在1030万円だが、もう少し検討して1000万円以下にすると言ってますが、御社はいくらぐらいで家を建てられますか?」ときりだしたのです。


●今回は大手FC住宅メーカー

2軒目はローコスト住宅で有名なFC住宅メーカーのAホームに見積もりを依頼しました。
そこは当時、モデルルームの改装中であり、中を見ることはできませんでした。

「できるだけお客様の意向に添うよう、努力します。改装中で通常より安くできますし」と言われ、数日待っていると、

「坪29万円の○○シリーズでしたら、税込み1030万円で給排水工事・解体・外構工事を含みます」と返事がきました。

やはり値段を合わせてきたか、この手のやり方は車の値引きと大体同じなんだと痛感しました。でも、好感触なので検討すると伝えて保留にしました。

決まっている坪数より極端に狭いとグンと坪単価が上がるはずの大手FC住宅メーカーの頑張りが、結構嬉しかったのです。


●3軒目は新聞のチラシの工務店

土曜日の新聞のチラシで、埼玉に本社があるFC住宅メーカーBホームの代理店の『坪24万8千円と29万8千円で建てます!』を発見。早速、電話して、見積もりに必要な資料をFAXで送りました。

数日後、FAXが送られてきて、坪29万8千円で税抜き1000万円の見積もりでした。これには、設計料・申請書類発行費は別途とありました。1000万円の税込みだと単純に1050万円、インターネットで見るとだいたい設計料は50万円かかるとあります。

申請書類費はいったいどれくらいかかるのだろうと、とりあえず交渉してみると、
「仕様を24万8千円にするとかなりグレードが下がります。ですから、ペアガラスをLDKだけにしたらどうですか、勝手口を削っては、2階のトイレを削っては?」と、どんどん私たちの欲しいものがなくなっていくので断りました。


●4軒目の建設会社

金額が希望どおりにならず、こちらのプランが満たされないので、どうしようかと思っている時に、地元の産業を支える会社が集まる産業祭りが近くの市で開催されました。

「とりあえず行ってみるか!」と家族で出かけました。
産業祭りには、建設会社や工務店も数社出店しており、そのなかの1社が「コンバット」(ゴキブリ取り器)を配ってるのが、貧乏性の私の目にとまりました。

すぐさま近づき「コンバット」をもらって「税込み1000万円で住める家」の見積もりを依頼しました。
その建築会社の担当者の「いけるんじゃないの?」という言葉に期待して、土地の図面と他社の見積もりを渡して帰りました。


●結果が届きました

次の日から、1000万円を切るかどうかが気になって、眠れませんでした。
それまでに見積もってもらった3社からは、その間も電話が結構ありました。
私は3社の中では大手FC住宅メーカーがいいと思い、4軒目の建設会社が期待はずれだったら、決めようと思っていました。

数日後自宅の電話が鳴り、ぼそぼそ、設計の方が何か言ってます。
「宮本……です……けど……」
「すみません。もうちょっと大きな声でお願いします」
「は……い……。宮本……で……すけ……ど……。1000……万円でおう……けしま……すけど……」
「エッ?もう1度。よく聞こえませんでした」
「はい。宮本ですけど1000万円でやります……」
(油断は禁物!)
「税込みですか?別途費用の申請書類費用・設計料・解体・給排水工事・外構工事まで含んで1000万円ですよね!住める状態までやっていただいて1000万円ですよね。これ以上は出さなくていいですよね」
「はい」
やった!




●よい不動産屋を選びましょう

今回、私たちの条件は、左記のように、かなり悪いものでした。
◎バブル期の狭いファミリータイプのマンションを所有
◎マンションは自己管理で3階建ての変形3DK
◎マンションは駅から徒歩圏外でバス便
◎高額の車のローンがあり、しかも購入して間もない

しかし、よい不動産屋さんと巡り合えたため、マンションは売れませんでしたが、不動産屋さんに買い取っていただきました。

私たちは数十軒の不動産屋さんを回り、ほとんどは悪条件のため、門前払いに近い状態でした(ひどい業者はお茶も入れてくれない)。
案内された物件を断ると「なんで買えねえんだ!コラッ!」と脅してくる暴力団まがいの業者もいました。
それでも、条件が悪い人は足を動かし、たくさん訪問し、挫けず・あきらめず、よい不動産屋さんを見つけてください!

【ポイント】
①買い取りできる対応のよい不動産屋さん。
②建築条件付きでも、不動産屋さんが紹介してくれた建築会社の値段が高かったら、快く自分で見つけてくださいと言えるような、サービスのよい不動産屋さん(頼めば結構、可能だと周囲からは聞いています。)
③買い取り業者さん・土地の売主さんの引渡し期限をこちらの都合に合わせてくれたりできる融通の利く不動産屋さん。


●ついに契約

私はとりあえず、大手ハウスメーカーにその見積書を見せ、同じ仕様で行けるのか、打診しました。担当者は本部に持ち帰り協議してくれましたが、結果は、やはり無理とのことでした。私はすぐさま、業者決定の結果を不動産屋に報告(オーバーローンを組んで銀行探しをしてもらっているため)。

「すごく安い業者を見つけましたね。でも、手抜きをされないよう細かいチェックが大切です」と言われました。
当然、そのとおりです。破格の値段でも、二度と買えるかどうかわからない大きな買い物なのですから。
毎日でも見に行きたいくらいの気持ちです。



9月14日。ついに契約!
頻繁に広告しているFC住宅メーカーの坪29万8千円にはベランダやシャッターなどは入ってません。
それを付けると高い金額を請求してきます。そのへんをよく理解していないと「金額が違う!」となりますのでご注意下さい。

チラシやパンフレット類は、金額などが表示されている大きな活字の部分だけでなく、付帯条件などが記載されている細かい活字の部分も必ず目を通しましょう。あなたがしっかりしなければ、安い家は建ちません。
請負契約時にはどこかに抜けがないか繰り返しチェックしましょう。


第4章 700万円台注文住宅の建築奮闘記その1

700万円台という金額で他の設計事務所・ハウスメーカー・工務店が家を建てることが出来ますか?
私は、本体工事・付帯費用・税金・設計料・解体費など、建築時にかかる費用をすべて合わせて1000万円で建てたんです。
中身も屋根は50年保証のアルメットルーフィング・鏡面オールスライド人造大理石キッチンなど、豪華(?)な仕様の家です。
リフォームの値段で、新築注文住宅を手にしたのです。
この日記は、お金がなくても家が欲しい人、売れそうもないマンション所有の方に夢と希望と勇気を与える日記です。
ぜひ読んでください。


お金がなくても家が欲しい方や売れそうもないマンション所有の方に、夢と希望と勇気を与える日記です。お金のある人・ない人も建築条件なしの土地を購入すれば、格安注文住宅の取得チャンスです!本当に必見!注文住宅なら、何でも自分で気に入ったものが選べるのです!建て売りやリフォームで選べるのは、ほんの一部分です。いいですよ、注文建築住宅は!

ことわっておきますが、私は我が家を建ててくれた宮本建設の回し者ではありませんし、自慢しているわけでもありません(マンションの残債で私もローン総額は3000万円オーバーしています)。
実際、日本の建築業界は不透明で建築費も高く、私は傲慢で横柄なこの業界を変えて、一人でも多くの人が安くてよい家に住めるようにしていきたいと思っています。
私はお金がなくても家が欲しい人に、多少の夢と希望と勇気を与えたいのです。

バブル時、私は22歳で40㎡のマンションを購入しました。
「このご時世では一生、マンション住いだ」
とあきらめて、昨年末(平成13年)に新車でエルグランドをローンで購入。ところが、結婚して子供ができると、庭が欲しいし、管理費と駐車場代が無駄と思い、一戸建て購入を決意、昨年から行動を開始しました。
しかし、不動産屋に行くと、
「こういうマンションは売れないしね……」
「車をローンで買ってると住み替えは不可能ですよ」とほとんど門前払いでした。

でも、転機が訪れました。今年の6月に新聞のチラシで『駅から5分で古屋付き920万建物込み総額1980万円』を発見。早速、不動産屋に連絡すると、
「マンションは買取できますよ。車も乗っていて大丈夫です」とかなりの好感触。


●家を建てる前の私の状況

バブル期真っ只中の22歳の春(平成元年)、私は2500万円+諸費用150万円で福生の駅からバス10分の鉄骨ラーメン構造の3階建て、自主管理の8世帯しか入れない40㎡の3DKマンションを購入しました。
これを転がして、一戸建てだ、と考えていたら、あっと言う間にバブルは泡となって消滅。慌てた私は半年に1回の割合で不動産の売りに奔走するが、すべての不動産屋に「こういうマンションは売れないしね」「車をローンで買ってると住み替えは不可能ですよ」(車はいつも3年おきにローンで購入のため)とほとんど門前払いでした。
売れないマンションを所有したまま、平成14年を迎えてしまっていたのです。


●家を探し始めたキッカケ

私が家を持ちたくなったのは、妻が「どうしてもマンション暮らしは嫌だ。土がないし、駐車場代や管理費がもったいない。壁に防音材が入っていても、隣の音が聞こえるし、我が家の音も漏れる。それに3DKの間取りが悪く狭い。40㎡そこそこで3部屋は無謀に近い……」と、毎日言い続けたからです。
私もこのマンションに50歳過ぎまで住み続けると思うと、ゾッとします。
我が家の子供たち、芽生(メイ)と怜生(レイ)は隣によく遊んでくれる三姉妹のお姉ちゃんがいるので
「ここにずっといたい!でも、マンションは嫌い!」
とわけのわからないことを言ったりする。それで、毎週末は新聞のチラシで不動産を専門に、紙に穴が開きそうなくらい”熱視線”で二時間隈なく見ていました。

当初は、別に建て売りでも中古でもかまわないと思っていました。とにかく、マンションを出られればいいと思っていたのです。
まずは、不動産屋に行き物件巡りです。チラシに載っている2500万円までの物件で、住みたい地域の物件はほとんど見ました。でも、マンションを持っているとわかると、どこの不動産屋もトークダウンです。
最初の頃は、妻も不動産屋に行くのを嫌がり、
「行くだけ、無駄だって、マンションの話をするとどこも”帰って”って顔するしガッカリするだけだもの」と、あきらめかけていました。
でも私は、絶対に親身になってくれる不動産屋がいると信じ単独でも動きました。

さっきも触れましたが別に建て売りでも中古でもかまわないと思っていました。まさかそんな自分に注文建築が建てられるとはまったく思っていませんでした。
でも、とうとう現れたのです。いい不動産屋さんが!運命の出会いです。それは1枚のB5サイズの小さいチラシから始まりました。


●神様に見えた不動産屋

それまではどこの不動産屋からも相手にされなかった私たちには、その不動産屋さんは神様に見えるほどでした。でも、土地が売れてしまっては話がなしになります。
早速、土地の手付金30万円を支払い、売買契約を交わしました。次は、マンションの専任媒介です。査定の900万円弱で売りに出しました。問い合わせはあるのですが、まったく売れません。土地の白紙解約条件の期限が迫り、仕方なく買取りをお願いしました。結果は550万円でした。
なんと、2500万円で買ったマンションが12年でたった550万円。でも、家を買うためにはしょうがないか……トホホ……。


●我が家のプラン

25坪の敷地しかないのに、これだけは譲れないという条件が私たちにはありました。
まず、車2台分の駐車スペースと10㎡以上の庭です。次に、1・2階にトイレ、3部屋以上で一つは和室、勝手口や床下収納やある程度のバルコニーがあること、LDKから階段で2階へ上がり収納は各部屋一つ以上でカウンターキッチン、というものです。

まあ、どこの建て売りでもある装備ですが、車2台分の駐車スペースはかなり無謀です。それも、設計料・申請書類費・給排水工事・解体工事・外構工事・消費税を含んで1000万円が絶対条件です。これをすべてクリアする工務店が現れるのでしょうか?
「でも、これぐらいはできるよ!」と珍しく、妻と意見が合いました。


●建設会社選び

最初は、不動産屋に紹介してもらった建築事務所でプランをたててもらったのですが、「25坪の土地でこの建蔽率・容積率ですと、約20坪の家が建つことになりますから単価は通常、30坪住宅の単価42万円の8万円アップで50万円ですね。15坪~25坪程度の狭い家でも装備は一緒だから、加工などの手間が余計にかかる分、坪単価は上がるのですよ」と言われ、がっかりです。

しかしすぐに、「なぜだ、チラシにはフリープランで総額1980万円と書いてあったじゃないか。これでは、家だけで1000万円ではないか、話が違う!」と怒りがこみあげてきました。

「住宅メーカーのサイトでは給排水工事・外構工事・解体工事は別途らしい。マンションの残債もかなり残っているし、土地代もいる。それに諸費用や手数料もかかる。これではとてつもない金額になってしまう」と思い、やっぱり、自分で探そうということになったのです。